フリーランスとしてこれから働いていきたいんだけど、まず何から始めたらいいかさっぱりで、、、
- 基本的な手続き
- フリーランスになる前にやっておいた方がいいこと
- その他の注意点
今回はこういった疑問にお答えしていきます。
私自身フリーランスとして活動しており、最初はわからないことばかりでした。「わからないことにも気づいてない」という点もあったのでそれを防ぐためにもこれからフリーランスで働こうと考えてる人に向けて重要な点をお伝えします。
フリーランスになるために必要な手続きとは?
フリーランスになる際、以下の手続きを役所にて行う必要があります。
- 保険の手続き|区役所
- 年金の手続き|区役所
- 税金の手続き|開業をする住所管轄の税務署
- 開業の手続き|開業をする住所管轄の税務署
保険の手続き|区役所
任意継続保険:最大2年間
会社員時代加入していた社会保険を最大2年間継続して加入することができます。そのとき退職後20日以内に申請する必要があり、それを過ぎてしまうと加入ができません。
注意することとしては、
- 当時払っていた倍の保険料を支払う必要がある(今までは会社が半分負担していたため)
- 最大でも2年間のみの加入で、それ以降は国民健康保険に加入しなければならない。
の2点です。
国民健康保険
こちらは個人で加入する保険で、地域と自分の所得によって保険料は変わります。自分がどこで事業を行うのか、自分の給料はいくらでそれに対応する保険料はいくらかを把握しておく必要があります。
この2つの保険をどちらにするかのポイントは安い費用の保険に加入することです。調べ方は
■社会保険:保険証に記載の組合に電話し「任意継続保険の場合の月々の支払額はいくらでしょうか?」と質問。
■国民健康保険:区役所の保険窓口に行き所得に応じた自分が納める保険料が記載されたシートを参照
この二つを比べて安い方に加入しましょう。
ちなみに所得に対する保険料というのは「前年の所得一年間」に対する算出になることに気をつけてください
例)2020年10月の保険料:2019年1年間の所得に対する算出
年金の手続き|区役所
区役所に行き年金手続きをします。日本の公的年金は2段階構造になっています。日本の年金は20歳から60歳の全ての人が加入する「国民年金」と会社員、公務員が加入する「厚生年金」の2つになります。
国民年金は全員加入必須の年金で月額16,410円と定額です。
問題はもう一つの厚生年金ですが、フリーランスの場合厚生年金の加入ではなく下記のいずれかに加入することになります。(任意加入)
- 国民年金基金
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 小規模企業共済
※こちらは必須ではなくあくまで任意になります。
年金を検討する上でのポイントは
- それぞれの年金制度の支払額
- 受給額の把握
- 老後どれくらい需給を希望しているか
- 所得控除が可能
といったところです。
種類 | 国民年金基金 | iDeCo | 小規模企業共済 |
対象者 | フリーランス/個人事業主など | 20歳以上60歳未満の国内在住者 | 小規模企業の経営者・役員、個人事業主 |
月額賭け金上限 | 68,000円(iDeCoと合算) | 68,000円(国民年金基金と合算) | 70,000円 |
所得控除種類 | 社会保険料控除 | 小規模企業共済等掛金控除 | 小規模企業共済等掛金控除 |
需給方法 | 基本終身年金で確定年金もあり | 確定年金(5年以上20年以内、一括受取可能) | ①一括受取 ②分割受取 ③一括受取と分割受取の併用 |
受給額 | 当初定めた額 | 運用により変動 | 当初定めた額 |
一度加入すると退会に時間がかかるなどあるため特段未定の人はひとまず国民年金の手続きだけ済ませましょう。
税金のための手続き|開業をする住所管轄の税務署
フリーランスになりたての時期は税金対策がとても重要になります。うまく税金対策をすることで自分の所得に数十万円以上の大きな差が出てくるためです。
申請書は青色申告と白色申告の2種類ありますが迷わず青色申告を選択します。青色申告の場合、所得控除が無条件で最大65万円でき、大きな節税効果があるためです。
申請用の紙の作成もすぐにできるサービスがあります。
開業の手続き|開業をする住所管轄の税務署
開業届
開業届をすることで、青色申告承認を受けることができ、確定申告など実施できます。フリーランスになると決めたら必ず開業届を指定の税務署に申請しましょう。
自分がフリーランスとして仕事を開始した日を記載し、その日から14日以内に役所に届け出ます。厳密には副業などですでに開始しているなどの場合明確なルールはないためご自身で任意の日を開業の日と定めその日から14日以内に書類提出をしましょう。
事業開始等申告書
事業開始等申告書とは、事業の開始を知らせるための届出のことです。住所や実際に仕事を開始した日付などを記載して、役所に提出します。
こちらは開業届と違い「提出しないとペナルティ」というものはなく、提出していなくても確定申告時に作成ができます。(とはいうもののどこかのタイミングで提出するので最初に済ませてしまいましょう。)
フリーランスになると何ができる?何で困る?
フリーランスになることで会社員時代とは異なる生活スタイルになります。そこでフリーランスだからこそできること、フリーランスになることで起きうる障壁について把握しておきます。
フリーランスになることでできること
①働き方が自由
なんといってもこれがフリーランスの醍醐味ではないでしょうか?働く場所、一緒に働く相手、職種、働く時間、格好、どれをとっても自由です。もともとフリーランスという言葉は
free:自由 lance:戦闘
という言葉からきており、組織に属さず個人で戦う兵士からきています。今のフリーランスの働き方とマッチしているため言葉だけ引き継がれたのでしょう。
全部自分で決めることができる
フリーランスになると全てのことを自分で決めて生活することができます。人によってそれぞれですが、誰かに言われたことをやるのが苦手な方、自分で好きに行動したい人などはこの働き方が向いているかもしれません。
当然、ビジネスには相手がいて成立するため全てが自由という意味ではないですが、それも含め「選択の自由」をフリーランスは獲得できます。
全部自分で決めなければいけない
逆を言うとフリーランスは何もかも自由のため全部自分で決めて行動していかないといけません。
考えてみると今まで学校という教育機関があり、インターンという就労支援があり、会社という大きな組織が私たちの身の回りを支えてくれてました。そのため1人で動いて開拓した経験を持った人は少数です。
それがフリーランスの難しいところでもある理由で、お金・時間・メンタルなどのマネジメントも自分で決めていかなければなりません。
②税金対策
フリーランスになることで自分で年金の申請や税金の申請、経費申請などのお金周りの業務をすることになります。日本のルール上会社員の場合
- 給料の発生→(所得税などの)税金が決定→年金・保険料などの支払い→手取り
ですが、これがフリーランスの場合
- 給料の発生→年金・保険料の所得控除→経費による所得控除→税金の決定→手取り
と順番が異なります。
税金は利率での計算のため計算対象が大きいとその分支払額は増えます。これが最初に控除額を持ってくることができるのがフリーランスの大きな特徴となります。
さらに事業に関するものも経費に計上できるため
- (家での作業の場合)家賃
- 光熱費
- 会食費
- 教材費
なども給料ではなく経費として所得控除が可能です(全額ではない点に注意)。ここが会社員との大きな違いになります。
フリーランスになることで困ること
取引先の創出
まずは仕事ができる取引先の獲得から行う必要があるという点です。会社員時代は自分が入社する前から会社が顧客を獲得していましたが、個人で事業を行う際お客さんを獲得することから始めなければいけません。
会社の看板などの信用がない個人はまず仕事を見つけることが難しい場合がほとんどです。
信用がない
フリーランスになると社会的に信用がない人となります。つまり
- クレジットカードの発行
- 不動産の契約
- 住宅ローンなどのローン契約
- 銀行などによる融資
といった信用に関わるほぼ全てのことができない可能性が高いです。必要ないものはまだしも、クレジットカードなどの生活する上で必要なものに関しては、フリーランスになる前に対策が必要になります。
マネジメント力の不足|お金・時間・メンタル
皆さんは今まで個人で何かを始めようとして挫折した経験はありますか?ない人はここは全く問題ありませんね!
フリーランスになると全てのマネジメントは自身でしていく必要があります。ここで最も大変なことが「セルフマネジメント」です。
挫折した時の心境を振り返るとわかりますが「きつい」「時間がない」「やる気が起きない」といった理由で挫折している場合が多いと思います。それではとても毎月安定的に生活するだけのお金を稼ぐことは難しいです。
書類の提出、取引の獲得、人脈形成などフリーランスの大変なことは多岐にわたりますが、まずは自分を律することが一番大変で重要かもしれません。
フリーランスになる前にやっておいた方がいいこと
フリーランスになるために事前に準備することがあります。以下のことを済ませることでスムーズにフリーランスになることができ、本業に集中できます。
■信用に関わる系で検討しているものは事前に作成・申請しておく
- クレジットカードの作成
- 車・住宅のローン申請
- 不動産契約
- 銀行口座開設
信用に関わるものは早急に作成・申請しておきます。極端な話学生はクレジットカードを作成できますが、フリーランスはできないようなことも起きます。信用がある時に作っておきましょう。
■会社員時代の情報
- 会社の契約書などの情報入手
- 会社の研修体制などの踏襲・おさらい
- 人脈形成
- スキル習得
会社はあなた1人がいなくてもうまく機能する「仕組み」ができてます。その情報を会社員時代にありったけ収集し、自分が1人で事業をする時の参考にしましょう。
特に契約書などは自分で作成することは困難なためどういった項目が必要かなど参考になるはずです。
フリーランスになってから取り組むこと
収支計画
まず目指すべき水準は「自分が食べていける金額を稼ぐ」ことです。自分が何にいくら使っていて、いくら稼げれば最低限生活ができるのかを把握し、それを最初の売り上げ目標にします。
- 家賃
- 給料(従業員がいれば)
- ネット環境代
- 光熱費
- 契約してるサブスクサービス
- 食費
- 際費
- 交通費など
必要ない出費は抑えます。お金の管理をすることで最終的に事業の成長に直結していきます。
セルフマネジメント
先ほど触れました「お金・時間・メンタル」に関する自身のセルフマネジメントを行います。
フリーランスは個人が最大の資本で、自分次第で売上が大きく左右します。目標からくる行動計画、日々の進捗管理、つらい時、調子がいい時のメンタルコントロールなど自分の管理を徹底します。
自分という会社をうまく経営しましょう!
営業
仕事を獲得するために営業活動は欠かせません。
テレアポ、飛び込み、ポスティングなど昔からある営業活動もありますが、今はSNSやSEO、クラウドソーシングなどを使ったWeb上での営業活動も可能です。
自身に合うスタイルでお客さんを獲得していきましょう。
自己投資
フリーランスは自分が最大の資本です。この資本を大きくしていくにはとにかく自己投資しかありません。
例えばこんなお客さんがいます。
「Webサイト作ったけどどうやって集客していこうか。どこか月20万円でコンサルしてくれないかな、、」
この悩みに対し
■Aさん「私はSEOに関する知識が豊富です。SEOを駆使することで集客可能なのでサイトのSEO対策を行いましょう」
■Bさん「今はSEO以外にSNSからの集客も必要です。SEO対策をしつつSNSでの集客も同時に行いましょう」
この場合知識の差でBさんに依頼をかけるでしょう。そうなると・SEOの知識ひとつ・SEOに加えSNSの知識も備えている
といった掛け合わせがその人の希少性を高めています。案件を発注されるかどうかで20万円か0円かになるほど自己投資は大切です。忙しい中でも未来の仕事を創出するためにも常に自己投資を心がけたいです。
まとめ
■必要手続き
- 保険の手続き|区役所
- 年金の手続き|区役所
- 税金の手続き|開業をする住所管轄の税務署
- 開業の手続き|開業をする住所管轄の税務署
■フリーランスのメリット・デメリット
メリット
- 働き方が自由
- 税金対策がしやすい
デメリット
- 新しい取引先の創出が困難
- セルフマネジメントが困難
■フリーランスになる前に済ませること
▼信用に関わる系で検討しているものは事前に作成・申請しておく
- クレジットカードの作成
- 車・住宅のローン申請
- 不動産契約
- 銀行口座開設
▼会社員時代の情報
- 会社の契約書などの情報入手
- 会社の研修体制などの踏襲・おさらい
- 人脈形成
- スキル習得
■フリーランスになってから取り組むこと
- 収支計画
- セルフマネジメント
- 営業
- 自己投資
いかがだったでしょうか?フリーランスになることで見えてくるものがたくさんあり大変に感じますが、やってみないことには何も始まらないこともまた事実。
自分の将来の選択は自分で決めて本当の意味での自立した人生にしていきましょう!!最後まで読んでいただきありがとうございました!