この本で言っている重要な点
リモート前提の組織・非同期コミュニケーション前提の組織
リモート組織を構築するためのプロセス
- リモート組織に関する認識を改め明示する
- リモート責任者を任命する
- ハンドブックを制定する
- コミュニケーションツールガイドラインを明示する
- ツールの種類を最低限に抑える
- 経営陣のデフォルトをリモートにする
- インフォーマルコミュニケーションを設計する
Amazon:GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた ドキュメントの活用でオフィスなしでも最大の成果を出すグローバル企業のしくみ
リモート組織に関する認識を改め明示する
オフィスワークの補完的要素でリモートワークを捉えると「オフィスワーカーが主流」「リモートワーカーが非主流」という雰囲気が出る。その歪みにオフィスワーカーはなかなか気付けない
- リモート責任者になるためのスキルと才能
リモート責任者を任命する
ハンドブックを制定する
あらゆる情報をハンドブックに集約する
この唯一の情報ソースを参照すると組織に関する全てが書かれており、他に隠されたルールがなく、文言は誰が読んだとしても可能な限り解釈の余地が少なくなるように現固化が徹底されている。
ハンドブックはいつでも誰でも参照できるようにアクセスしやすい場所に設置されている必要がある。
コミュニケーションツールガイドラインを明示する
ツールの種類を最低限に抑える
経営陣のデフォルトをリモートにする
インフォーマルコミュニケーションを設計する
組織を活性化させるカルチャー醸成法
カルチャーはバリューによって醸成される
→カルチャーマッチではなくバリューマッチが重要
- カルチャー:その企業が伝統的に持っている文化、雰囲気
- バリュー:市場環境に適応した明示的なパターン
勝負している市場に対して勝てる可能性を高くするためのアクション、優先順位、禁止事項などを具体的に示したものがバリューと言える。
Valueの構成要素・優先順位
- Collaboration:コラボレーション
- Results:成果
- Efficiency:効率性
- Diversity, Inclusion & Belonging:ダイバーシティ、インクルージョン&ビロンギング
- Iteration:イテレーション
- Transparency:透明性
GitLab Valueのヒエラルキー
コラボレーション
人通しが協力し合ってビジネスを拡大する上でコラボレーションは必要不可欠。この生産性を高くするのを意識
- 行動基準
- 思いやりを持つ
- 情報をシェアする
- ネガディブなフィードバックは1対1で行う
- 問題は起きた瞬間に対応する
- たくさん人の目につくように感謝を示す
- フォードバックを効果的に用いる:ネガフィードはポジフィードより6倍強い影響を与える。
- お互いを知る
- 部門を越境する
- 役職や肩書きで物事を語らない:「CEOもこの意見に賛同してる」とかの会話は論外。
- 前向きな意図を想定する
- 謝れる方が強い
- エゴを捨てる
- 誰も失敗させない:苦しんでいる人がいたら手を差し伸べる、専門知識を提供できる人を繋ぐなどして「チーム全体が勝利する」ことが重要
- 仕事を基準にして話す:人格否定ではなく仕事基準での会話をする。「あなたは私の話を聞かなかった」ではなく「デザインに関する私のフィードバックに対して返信がなかった」という。フィードバックを送る時は非難ではなく、相手のパフォーマンスを向上させたい旨を最初に伝える
- 創業者のように振る舞う
- 責任ではなく問題に集中する:人やチームの責任に言及せず、失敗に至ったメカニズムと意思決定のプロセスに注目する。ポストモーテム(根本原因分析)とレトロスペクティブ(振り返り)を実施
- 短いつま先:つま先(権限や領分)を踏まぬよう慎重になり意思決定が遅れるのを回避するためにつま先を短くし、誰もが貢献できるように頑張る
- 全てを知ることは不可能:助けを求めるのも大事。
- コラボレーションはコンセンサスではない
成果
Valueの最上位に位置するもの。「コミットした責任を果たすこと」と定義。
長い時間かけても他人に何も影響を与えてないと何も変化は起きない。
顧客、ユーザー、チームに貢献し、投資家から信頼されるためにコミットした責任に向き合うのが大事。
→ステークホルダーに影響を与えられたかの客観的に計測することが重要
- 判断基準
- 時間ではなく成果を測定する
- 顧客の成果に貢献する
- ドッグフーディング:開発製品を自分たちでも触って業務で用いること。ユーザー体験を行う。
- エージェンシーを与える:自分の責任を果たすために自律的に踏み出す意思のこと。GitLabは会議の参加が重要ではないと感じる場合は参加しない選択ができる。必要に応じてミーティング中に別業務をやっても良い。聞きたいことがあれば必要に応じて同僚に声をかけ回答してもらう。これをすることで「必要のない会議に深刻そうな顔をしながら参加し続けると言った無駄な時間を避ける」ことができる
- 約束を書き留める
- 成長のマインドセット全体最適を志向する
- 粘り強く取り組む
- オーナーシップ:自分のタスクをやり切る
- 切迫感を持つ
- 野心的に振る舞う:小さな変更を繰り返しながらでも大規模で野心的な目標を掲げる。すべての機能で世界一を目指す。
- 行動へのバイアス
- 同意しない・コミットする・同意しない:「同意しない場合にもコミットする」を求める。DRI(直接責任者)に周りが意見をし最終決定をDRIが行う。それに同意しないこともあるが、最終決定されたものに関しては必ずコミットする必要がある。→どうえDRIが決定するから意見しないで良いやのメンタルも避けなければいけない。GItLabでは対立を避けたり、仲良くするためでかに同意したりするのではなく、事実に基づいて自分の視点を共有するように求められる。意見対立が人間関係を崩さないように感情が交差する難しい対話に対するトレーニングを行う。
- 不確実性を受け入れる
- 障害を取り除くためにマネージャーを動かす:DRIを定義することにこだわる。DRIには障害を取り除くために上司に働きかける権限と責任が与えれらる。
効率性
- 内容
- 健全な制約に絞る
- 物事を書き留める
- 退屈な解決策を選択する:イノベーションを起こすスピードは複雑さの蓄積によって低下する。少しでも複雑さを減らすことが効率性の面では重要。
- セルフサービスとセルフラーニング
- 正しい範囲に向けた効率性を追求する:全体最適を優先
- 他人の時間を尊重する
- 会社のお金を自腹だと思って活用する
- 口頭での端的な回答
- 周知は短く:文が長いと見たくない。端的に「つまりあなたの要求は何?」
- マネージャー・オブ・ワン:マネージャーの判断をいちいち青がなくても自ら経営者のような視点で動く。
- ミスを許容する
- 最小限の変更を行い、最速でリリーする
- 変化を受けいれる
ダイバーシティ&インクルージョン、ビロンギング
人種、性別、年齢といった表層的なダイバーシティと、
性格、価値観、倫理、宗教、性的指向といった真相的なダイバーシティがあり、どちらの多様性も意識して育む必要がある。
インクルージョン:包括性の意味で、すべての従業員が活躍できる状態を目指す。
ビロンギング:自分の居場所はここにあるという感覚。
非同期コミュニケーションを優先する
可能な限り業務を非同期で行うようにする。
住んでいる国の違いによるタイムゾーンのズレ、家庭の事情やコミュニティ活動参加など、異なる時間帯で生活する人たちが活躍できるようになる。
- 内容
- 不快な考えや会話を受け入れる:ダイバーシティを受け入れる=今まで目を逸らしていた問題は異なる価値観の人たちが置かれている難しい状況に向き合うこと
- マイクロアグレッションの影響を理解する:小さな攻撃性のこと。「君は日本人なのに積極的だね」← 日本人は臆病という先入観が言葉の背景に隠れていて見下されたように感じる。
- 多様な視点を求める
- 家族を歓迎する:Zoomに家族が映ったら挨拶するとか
- 大義のために勤務時間をコントロールする:育児、介護、社会問題への支援、コミュニティ貢献といったものは通常の業務終了でやれば良いわけではない。慈善活動、地域コミュニティ活動に参加するときでも「世の中にとって最も貢献できる時間帯に3んかできるように調整する」
- カルチャーマッチではなくバリューマッチを選ぶ
- 職場における宗教と政治:オープンの場での会話を控える
- 型破りを楽しむ
- 安全なコミュニティを構築する
- アンコンシャス・バイアスを理解する:人間が無意識に偏った見方をしてしまうこと
- インクルーシブな言語と代名詞を用いる:Hey guys! よりも Hey everyone!
- インクルーシブな会議
- ニューロダイバーシティを受け入れる
- 家族や友人が第一、仕事がその次
イテレーション
組織全体で学習サイクルを回して前進すること
何かを追加・何かを削除する
- 内容
- 一刻を争う
- 期日を設定する
- プロセスをメンテナンスして承認待ちをなくす
- 可能か限り少数のユーザーに影響を与えることから始める
- サイクルタイムを短縮する
- MVC(最小限の実行可能な変更)を目指す
- プロポーザルを用意する
- 全てが制作途中だと理解する
- 長期的視点で細かく説明する
- 恥ずかしさのハードル下げる
- 文化のレンズ
- 改善に集中する
- まずはスピードと成果、次にスケール
- まとめてしまいたい欲求に抵抗する
- 後戻りができるなら決断を行う
- 提案を変更することはイテレーションではない
- イテレーションは評価が重要
- 小さなマージリクエストを作成する
- 慎重にイテレーションを行うケースもある
- イテレーションではない12のこと
透明性
透明性はコラボレーションを促進させ、社外からの認知度を高める
- 内容
- デフォルトは公開設定
- 公開しない情報も存在する
- 本音で話す
- 考えが変わったらはっきりいう
- 建設的に問題を表面化する
- 透明性はコストがかかってもやり続けることで最も価値を発揮する
- 信頼できる唯一の情報源
- 見つけやすさ
- 結論だけでなく理由も説明する
- 再現性を持たせる
- これらのルールを会社全体に根付かせるための取り組み
フィードバックを効果的に行うために
- ネガティブなフィードバックを起こる前に大前提として日頃からポジティブなフィードバックや人間味のあるコミュニケーションを行って良い関係性を構築しておく
- SBIモデルを用いる
- 状況(Situation):いつどんな場面で起きた行動なのか「時間」「場所」を明確に特定すること→一般的なフィードバックではなく事実に基づくフィードバック。納得感的に
- 振る舞い(Behavior):実際に行動として何をおこなったのかの具体的な事実。「怖い」「よくない」「不機嫌だった」は事実ではない、意見・判断が入らないように注意
- 影響(Impact):それによってチーム、他の人にとってどんな経験や感情を抱く結果になったのかを説明する。決めつけではなく「自分はそう感じた」と個人の見解として伝える
→相手を良くしたいという心情を乗せてコミュニケーションをするのが重要
ネガティブフィードバックはドキュメントに書き留めておく。事実をベースに議論する。
GitLabが考える個人のパフォーマンス
「成果」「行動」の2軸で考える。
**成果:**実際に外部に対してリリースを行い、フィードバックを受けて計測することが重要。内を計測するのかが明確でなくてはならないため、目標設定が重要。
**行動:**現在のグレードに応じたコンピテンシーを基準とする。コンピテンシーはValue,職種、JobGradeによって規定される。
- GitLabのコンピテンシー表一覧
コーチング
GROWモデル
- Goal:(目標)
- Reality:(現実)
- Option:(オプション)
- Way Forward:(前進)
効果的な能力開発のプロセスを理解する
技術的成長:能力・スキル向上、新たな難易度の業務達成など
精神的成長:役割を自覚、自らを律する、なすべきことをなせるようになる
人間の能力開発プロセス
人間は「具体的経験」「内省的省察」「抽象的概念化」「積極的実践」を繰り返し、経験によって学習するとされている。「経験学習モデル」と呼ばれている。
Amazon:GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた ドキュメントの活用でオフィスなしでも最大の成果を出すグローバル企業のしくみ
おまけ
僕は普段、フロントエンジニアとして都内で働いています。元々はWebマーケティングの営業から未経験でエンジニアにジョブチェンジしました。
その時の体験談をまとめた記事がこちらです。
参考完全未経験からエンジニア転職するまでのステップを解説【体験談】
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