先に結論:自己コントロール力を高めろ・意志力のキャパは決まってるよ
上手くいく秘訣は2つのみ:知能と自己コントロール能力
- このうち知能を高めて維持する方法は専門家にもわかっていない
- **自己コントロール能力を高めるのは方法がある**
この本では「自己調整の失敗こそが現代における主要な社会病理である」と言っている
自己コントロール力を磨くのは簡単ではないが、高めることでストレスが減り、意思力を重要なことに注げるようになるため、結局リラックスできるようになる
実際のアクションの前にいくつか前提知識の話をしてます↓
「意志力」について
意志力は筋肉に似ている
- 筋肉:総量は決まってる。例:168cm 70kg の体に収まる筋肉量の総量は決まってる
- 筋肉量を増やすことはトレーニングをすることで可能
- 筋肉をたくさん使いすぎると力がなくなって疲れる
- 筋肉を使うことで、寝れば回復するし最大筋肉量は増える
- トレーニングを止めたり、運動しなくなると筋肉は衰える
→意志力もほぼ同じ理解で行ける
1日に使える意志力は決まってるから要らんことに使いすぎると必要なタイミングで意志力が枯渇していて良くない判断をしてしまうリスクが高まる。
意志力を高めてないと総量が少なくすぐに枯渇する
継続的に意志力を磨かないとたくさんあったキャパも減ってしまう
意志力が低下するとどうなるか
- 人は意志力を発揮したり決断を下したりしてエネルギーを使い果たせば、やがて誘惑に負ける
- 「自我消耗(著者の造語)」→人の思考や感情や行動を規制する能力が減る現象のこと
- 意志力が弱まると、かえって刺激を強く感じる
- 自我消耗状態の人はそうでない人に比べて感情変化に対して差はなかったが、全てのことに対する反応が強くなった
- 例
- 悲しい映画を見てよく泣く
- 楽しい絵を見てよく笑う
- 物騒な絵を見てより不安を感じる
- クッキーを1つ食べたらさらに食べたくなる。なんなら他の未開封のお菓子も食べたくなる
- 我慢した後は次の誘惑に負けやすい
意志力を使う場面4つ
- 思考のコントロールをするとき:これを気にしないでおこう、これに集中しようなど
- 感情のコントロールをするとき:不機嫌な気分を変えよう、不快な感情を無くそうなど
- 衝動のコントロールをするとき:酒飲みたい、寝たい、いい椅子すぐ買いたいなど
- パフォーマンスコントロールをするとき:作業を止めたいと思っても続けるなど
決定疲れ
- 何かを決定すると意志力は消耗し、意志力が消耗すると決定ができなくなる
- 目の前の現金か、それより高い後からもらえる小切手か
- 魅力的な女性を見ると男性はすぐに現金を欲するのがわかった
- 子孫を残す可能性を高めるチャンスにすぐ反応するように脳ができてる
- →広告業界はずっと昔から美しい女性と商品を見せるのはこれが理由
その他の知識
- 目標があるとモチベができて自己コントロールできる
- 何も先がないと続かなくなる→常にするのはそれほど難しい
プリコミットメント
- 意味:将来強い欲求に襲われることを事前に見越して自らを拘束すること:事前拘束
→絶対にカジノでギャンブルをしたくないならそもそもカジノに足を踏み入れない
→すべての誘惑を予想するのは難しい。日頃から予防線を敷いておく
→特定のサイトの閲覧をできないようにする、不要なアプリをインストールする
自己コントロール力が最も効果を発揮するのは悪い習慣を断ち切り、良い習慣を確立する時
自尊心より自制心
自尊心が高い人の特徴は2つある
- 自主性が高まる:自分に自信があるからリスクを引き受ける
- 機嫌良く過ごせる:前向きな気持ちで行動するため
よくない側面
- 傲慢・うぬぼれ、ナルシズムにつながる懸念がある
- 自分に対する批判を受け入れない
- 自尊心の高さの利点は自分に戻ってきて、その代償は他人が引き受けることになる。そして本人はそれに気づかない
アジアの子育てでは自己コントロール能力を高めることを重視してた
- トイレの入り方
- お菓子を後で食べる
- アルファベットを覚えた娘にすぐキャンディをねだられてもあげない
- 買い物中に翌週に本を一冊読んだら次の買い物でキャンディをげるように伝える→すぐにはあげない
- 子供にはプレッシャーをかけすぎず「学ぶのは楽しみ」という気持ちを作る
ミスは早く注意・一貫性を持たせる
- いい雰囲気だから最初に決めたルール少しはみ出たけど注意しなかった→次のミスを助長することになる。ミスは注意するがさっと注意してすぐに終わらせた方が長期的にもGOOD
自己コントロール力を高めるために
先に箇条書き
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1. 目標の設定
2. 意志力の元になるエネルギーを高める
3. 作業を完了させてからでないと次に移らない
4. 鏡を机の上に置いて作業する
5. 記録を友人と分かち合う
6. 容易ではない状況を乗り越える機会を作る
7. 1つの作業しかやってはいけない時間を作る
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1. 目標の設定
目標は1つに絞って集中せよ
明確な目標を設定すること
- 意志力の量には限りがありそれを使うことで消耗する
- すべての種類の行動に用いられる意思力の出所は1つのみ
- 例
- クッキーの誘惑に逆らうこと
- 図形パズルを解くこと
→この2つに使われるエネルギーは同じ源泉から来てる。すべて1つの貯蔵庫から引き出した意志力を使ってる
- 例
目標が複数あって対立を起こすと・・
- 悩みが増える →それについてたくさん考える
- できることが少なくなる →細かくステップ分けしてそれが乱立して結果行動できない
- 体と心の健康が損なわれる →前向きな気持ちを持てない傾向になる
目標を持つとできなかった時にその結果を見て落ち込むが、そのために頑張った過程は残り続けるから結局持っていた方がいい。長期目標:過程 / 短期目標:結果
細かすぎず大雑把すぎない目標が一番効果的
- 日毎より月毎の目標がちょうどいい
2. 意志力の元になるエネルギーを高める
グルコースが意志力のエネルギーに大きく関わってる
自己コントロール力を発揮してグルコースを消費すると体は甘いものを強く欲する
グリセミック指数(GI値)GI値の低い食べ物
- ほとんどの野菜
- ナッツ(ピーナッツ・カシューナッツ)
- 生の果物(りんご、ブルーベリー、なしなど)
- チーズ、魚、肉、オリーブオイル
GI値の高い食べ物
- 米、パン、じゃがいもなどの炭水化物
- スナック菓子、ファストフード
→体内のグルコースをコントロールする必要がある
砂糖たっぷりの飲み物を飲むと体内グルコースがすぐに増えるので、その影響を短時間で得れる。
が、佐藤は血中のグルコース濃度をを急上昇させてから急下降させてかえって人を消耗させる
→ゆっくり燃焼するものを選んで食べるのが重要
グルコース値が低い食べものを食べた方が結果的にいい
3. 作業を完了させてからでないと次に移らない
終わってない仕事や達成されてない目標は頭に浮かびがち→パフォーマンス低下の要因
考え方としては
- 無意識:リマインド
- 意識 :実際の行動
→リマインドを受けたら即終わらせる。2分以内に終わる仕事はTodoリストに入れない。今やれ
4. 鏡を机の上に置いて作業する
- 人に見られることで自制心が働くため
5. 記録を友人と分かち合う
- どこまで進んだか、後どれくらいやるべきことが残っているか、どちらに意識を集中すべきか
- 公開された情報は自分だけの情報よりも大きな影響力をもつ
- 結婚した夫婦の片方が禁煙するともう1人も禁煙する可能性が高くなる
- 勉強する時に図書館行くのもある種合理的な選択と言える説
これまで達成してきた体験を思い出すよりこれからやろうとすることを考えた方がいい結果を期待できる。
6. 容易ではない状況を乗り越える機会を作る
- 小さくてもいいので常に目標を立ててそれを達成する習慣をつける
- 目標にトライする時に意志力を消耗する→それを日々行うことで意志力の総量が増える
- 逆手で動作をすると普段より負荷がかかり自己コントロール力のエクササイズになる
- 歯磨き、箸使い、文字書き、ボタンを閉める、ドアを開けるなど
例:3つのグループ
- 姿勢を気をつける指示を受けたグループ
- 2週間食べたものを記録するよう指示を受けたグループ
- 何かと前向きな気分やプラスの感情を保つように言われたグループ
→最も成績が向上したのは姿勢を正そうとしたグループ
自己コントロール力にはい2種類ある:「パワー」「スタミナ」
7. 1つの作業しかやってはいけない時間を作る
例:1日の始まりの90分は一番重要な目標に向かうことだけに使うと決める
メールチェック、電話対応、ネットで別世界に入るなどをしない。
まとめ
- 目標の設定
- 意志力の元になるエネルギーを高める
- 作業を完了させてからでないと次に移らない
- 鏡を机の上に置いて作業する
- 記録を友人と分かち合う
- 容易ではない状況を乗り越える機会を作る
- 1つの作業しかやってはいけない時間を作る
最後に:「先延ばしにするな。未来の時間に頼ることの罪と愚かさ」
いくつかの例え話
- チャールズ・ダーウィンの「人間の進化と性淘汰」
- 精神修養の最高の段階は自分の思考をコントロールしなければならないと認めるときだと述べている
- 自己コントロール力がないための失敗例衝動買い・脅迫的な借金・衝動的な暴力・成績不振・仕事を始めることへのためらい・アルコール、薬物依存・不健康な食事・運動不足・慢性的な不安・爆発的な怒り
- 誘惑に負ける時の思考
- 例:禁酒をしたいが明日商店街に行く用事がある馬愛
- 明日の夜に酒を飲んでしまうなら(飲む可能性が高いなら)、今日居酒屋に行ってのでも変わりないじゃないか!今を生きろ!大いに楽しめ! となる。。。
→今夜の酒に抵抗するには、明日も誘惑に負けないという自信が必要
おまけ
僕は普段、フロントエンジニアとして都内で働いています。元々はWebマーケティングの営業から未経験でエンジニアにジョブチェンジしました。
その時の体験談をまとめた記事がこちらです。
参考完全未経験からエンジニア転職するまでのステップを解説【体験談】
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